「森しんしゃ舎」
小平あおば幼稚園。耐震改修事業による建替。無垢材こだわった約8mスパンの遊戯室は森の中の広場。
70数年前、畑の中にぽつんと始まったこの幼稚園は、廻りがすべて住宅地になるこれまでずっと、地域の子供たちを育ててきた。周辺住民には卒業生も多く残っている。給食も送迎バスもない。質実剛健、地域に根ざしてこれまでやってきた。園舎の耐震改修を検討せざるを得なくなり、調査、耐震設計の結果、建替となった。
鉄骨2階建ても検討されたが予算、面積、工期を考慮し木造となった。2階は倉庫、PTA会議、職員室。こどもはあがらないことで、木造園舎をクリアした。ぎりぎりの基準面積。決して余裕のある計画ではなかったが、空間がおおらかに感じられるように構成した。
中央に約100m2の遊戯室ホール。8m尺のスパンを杉無垢材で確保。240角杉通柱で受けている。大きな森をイメージ出来るようにした。床は30mm厚杉低温乾燥フローリング。園児は自ら裸足になって駆け回っている。「木」であることがいかに心地よいものか体で理解し愉しんでいる。木造で作ることの意味がここにある。
建築事例概要
- 所在地
- 東京都小平市
- 用途
- 幼稚園
- 構造
- 木造
- 規模
- 地上2階
- 延べ床面積
- 526.32㎡