「陸前高田市森林組合事務所」
FSU工法の提案紹介
陸前高田市の森林組合の事務所です。東日本大震災でこれまでの事務所が使えなくなり、新たに建築されました。当然ながら木造それも木材を通常の3~4倍使用する「FSU工法」で建築しております。
岩手県は三陸沿岸にあった合板工場が流されたので、数年前に新たに工場が建築され、そこで求められる丸太が4mか2mの杉材ためその長さの材が、他県と比較して容易に手に入ります。
そこで4mと2mの材を歩留りよく活かすことをコンセプトにして、建築しています。二階建て部分と平屋建て部分の過不足は横架材の背を大きくすることで調整しております。外壁だけで勾配天井の屋根荷重を水平梁なく支えるため、屋外にバットレス代わりに高さ4m壁を設けて、外壁の膨らみを防いでいます。
事務室と会議室の屋根は、通常の木造で使用する細い寸法の材で構成された合掌の格子梁を、地上で組んで910ピッチに順次両端の桁に載せていき、繋ぎ材はあっても棟木のない構成とし、その間に断熱材をサンドイッチした屋根パネルを載せています。格子梁を照明装置としても活用しています。
開発目的
FSU工法は建築で森林整備事業を活性化して、二酸化炭素の吸収を高めて地球温暖化に抗います。木材を大量使用しつつその増加分費用を作業手間の軽減で補う一方、部材の再使用を容易化する技術で建築廃棄物を削減し、建築行為を環境等の持続可能性を高める行為とする目的で開発されました。
在来木造の金物工法対応構造(角材ボルト連結壁パネルで耐力確保)、確認審査機関耐力壁構造評定取得済み。連結壁部材の再使用容易化工法、使用角材寸法105~240㎜角まで可能。構造外壁(及び間仕切り壁)内部木造躯体表し60分準耐火構造壁・国交省認定取得済み。
建築事例概要
- 所在地
- 岩手県陸前高田市
- 用途
- 事務所
- 構造
- 木造軸組みFSU工法
- 規模
- 2階建て
- 延べ床面積
- 434.50㎡